MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXとスポルティバを比べたところ意外なことがわかった・・

よく思うのですが、登山業界の取り巻く環境って特殊だなと。特に「ギア」など登山産業は特に。
それを使うフィールドが確実に存在するのに、各企業が直接アプローチしてないですよね。
燕岳登山口で、モンベル商品の展示会なんてやってませんし。
でももし可能なら「試履」をやってほしいですね。ゲレンデでの試乗会、ゴルフの試打会とかありますよね?ああいうライトな感じで試せるのが気軽でいいですよね。
登山靴は、店ではぴったりだったのに、山で履くと合わなかった、こんなはずじゃなかったのに、、、ということよくあります。
現状ではレビューにたよるしかないと思うので、できるだけ詳しく書いていきたいと思います。今回はラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTX、とMAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXで比べました。

グレードの違う靴を同じ用途で使ってみた。

テント泊縦走用の最高級品と縦走用汎用タイプ

ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXというと価格も5万近くする登山靴の中では最高級の部類に入ります。

ちょうど登山を初めて2年が経過。八ヶ岳や南アルプスの仙塩尾根なんかを縦走して、経験を積んだ後に、北アルプスでのテント泊を目標に購入しました。登山歴3年目のことですね。

一方、MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXは3万3000円ほどの中級タイプのモデルで、数日間の縦走を楽しめ、主に山小屋泊を前提としたライトな靴、という位置づけです。

どちらかというと
MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXの後にラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXをチョイスするのが普通だと思いますが、3年目にテント泊も考えていたことからラ・スポルティバ にしました。ではなぜ、その後ラ・スポルティバからMAMMUTへと「グレードダウン」したのでしょうか?

ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXの問題点

3年目。谷川岳の馬蹄縦走でテント泊した時のこと。脚が痛くなってしまい苦労しました。
累計標高差1500m近い激登りと白毛門→笠ヶ岳→朝日岳とアップダウンの続く中で、普段持たない15kgの装備が響きました。
脚を怪我したわけではなく、脚裏の疲労感。膝が笑う、とはこのことで、ギリギリ目的のテント地についたものの、その日立って歩くのも辛いぐらい消耗しました。

足幅の狭さ

原因はラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXの足幅の狭さ。
長時間のアップダウンを繰り返すうちに土踏まずのあたりからつま先にかけての狭さが、「ジャストフィット」を超えて「圧迫感」に感じるようになりました。
もちろん毎回そう感じるのではなく、日帰りや小屋泊で刻んだ登山をするときはあまり感じませんが、例えば
燕岳→槍ヶ岳→奥穂高
とか
鹿島槍→五竜岳
のように岩峰歩きがメインのテント泊登山のときは圧迫感を感じました。
テントについたらまず靴を脱いでマッサージをする、というのがルーティンワークのようになっていたの覚えています。

爪先部分の強度不足

春から初冬にかけて毎年30日間ほど登山に行くのですが、ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTX購入2年目の中頃、先端部分のゴムに傷がつくようになり、翌年のはじめ頃には完全に防水膜にまだ達し防水の役目をしなくなりました。


もちろん保管には、湿気を避けてましたし、何か問題があるとすれば歩き方でしょうか。
しかしながら、奥さんもラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXを使ってるのですが、ほぼ同じタイミングで先端部分の破損が見られました。


このようなゴムの劣化は過去に履いたスカルパやシリオではありませんでした。
また上部の写真それぞれ、つま先のゴムだけでなく、ソールも減り方も先端部分だけ極端に摩耗してます。
岩にこすらないように歩かなければならない、となると相当な熟練者?用ということになります。
少なくとも初心者には少し手強いと感じました。

MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXとの出会い

スポルティバの後、父から受け継いだシリオのブーツを一年ほど使用してました。ずばりお金が無く、もう登山靴を買う余裕なんてなかったからです。2010年ごろまで販売していた骨董品ですが、まぁ問題なく履けてました。しかしある時ソールが剥がれてしまったのをきっかけにブーツの購入を検討。毎週石井スポーツとか好日山荘とか通いつめ、MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXに出会いました。

購入の決め手

一番には軽さ。100gでも軽量化したかったのです。
700gを切る縦走用のブーツはこれしかありませんでした。ソウルもスポルティバと同じぐらい固くゴアテックス仕様で防水も問題なし、ワンタッチアイゼン装着可能なコパもついてるというカタログ的な部分でも十分に惹かれましたが、他にもスポルティバでやってしまった間違いを教訓としました。

高級ブーツでなくて良い理由〜耐久性重視

スポルティバにはなかったつま先を覆うようにゴムが補強されてること。

つま先の強度は登山では重要です。なぜなら岩につま先を当てることはよくあることですし、そこに神経が行かないメーカの靴はそもそも論外でした。

そもそも最大で3泊4日程度の一般登山道や、無茶するときでもせいぜい破線のバリエーションルート。藪や岩登りをしないので、ヨーロッパ製のハイエンドブーツは必要ありません。ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXが生まれたイタリアでは何千メートル級のアルプスを行き、その靴に命を預け消耗させる、という考え方にもとづいてるとすれば、日本の山は明らかにオーバースペックです。厳冬期の日本の山の凄まじさは欧米に匹敵しますが、そうでない場合は機能重視より耐久性を考えたほうがいいと思います。

ですので機能面ではスポルティバに軍配があがるかもしれません。例えば、足場が不安定な岩稜帯での歩行。左右へのブレをしっかり抑えてくれると感じました。
その点MAMMUTはヒールから足首にかけての補強が少し弱いです。


人によってはもう一枚、補強が足首にあったほうがいいと感じる人もいるでしょう。
ただ、個人的には、これぐらい足首の自由があったほうが歩きやすいです。
かかとが浮く、と言うのは問題ですが、そこはがっちりしてます。それはなぜか脚幅が狭いからです。

見た目はタイト。でも中は圧迫感がない

スポルティバを思い出させるような脚幅の細さ

スポルティバの場合、これが一番問題だったはずです。しかし履いてみてわかったのですが、MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXのつま先幅はスポルティバよりも4〜5mmほど広いことがわかります。
しかもテント装備で最大荷重時でも再度の圧迫感は感じませんでした。
スポルティバの方はサイドに補強が入ってるためか見た目以上に再度の幅は狭いです。それだけ堅牢なんですね。そのために重量を増し、履き心地を悪くしてるとは本末転倒だと思います。

足裏感覚が優れてる

割りとハイエンドタイプのブーツに多いのが、ソールの厚さ。30kgを超えるような荷物で縦走する場合はソールの沈み込みを防ぐため厚く硬いソールを使用しています。

MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXも硬いソールを使用してるが厚みが2mmほど薄い。このため足裏から伝わる岩や凹凸の情報をキャッチし易い。
私はテント泊でも15kgほどの荷物なので、そこまでの厚みは必要ありません。
スポルティバで雨が降りしきる中での北アルプス大キレットを歩いたとき、足裏からまったく岩の情報を読み取れなかったのは少し怖かったです。

厚みを補強したいときはインソールにスーパーフィートで補強できるのでこの点は全く問題ない。

むしろスーパーフィートで用途に応じて、足元を調整できるのは嬉しいこと。

ネオプレン製ゲイター

通常厳冬期用の冬靴には足首のゲイターはある程度標準装備されてるが、通常期のものでは珍しい。正直おまけみたいな機能だと思っていたが、これが残雪期の二王子岳に行ったときに威力を発揮しました。

残雪期でMAMMUTを使用した記事はこちら

2017年の登山のバズワードは「ウルトラライト」 軽量化を追求したギアが流行りそうです。特に軽量化したいのはブーツ。ここが100g変わるこ...


その日ゲイターを忘れてしまった。運悪く気温が上がり踏み抜きが多く、通常のブーツなら雪が侵入し、中がズブズブ、グチャグチャになるところが、全く問題ありませんでした。
この靴は「フン?!足首の補強?そんなものどこで使うの?」という問に対しての答えなのでしょう。
スポルティバやその他ハイエンドブーツ(だけではないが)に対しての挑戦的ともとれるこの仕様は意外と役に立ちました。

まとめ〜総合点でMAMMUTが上

スポルティバは
・○  堅牢性があり、岩にぶつかっても脚を保護してくれる安心感がある。
・☓ 一方で重量感が増している
・☓ 脚先の細さは長時間のテクニカルな登山には向いてない
・☓ 国内の一般登山では明らかにオーバースペック。

一方、MAMMUT(マムート) Ridge Combi High WL GTXは
・○ 軽量かつラ・スポルティバと同様の最低限の機能性を保持
・○ 脚幅の広さ
・○ 足裏感覚重視
・○ ネオプレン製ゲイター
・☓ 足首周りの補強の弱さから来る不安定な足場でのふらつき

そして用途別のまとめとして

・3〜4泊程度の縦走登山ならMAMMUTで問題ない
・残雪期はどちらでも問題ないが、コスパを考えればMAMMUT
・一般登山道での小屋泊縦走程度なら、MAMMUT(スポルティバを選ぶ理由はない)
・日帰りで都内の完全に整備された登山道=両者ともオーバースペック(笑

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