ウルトラライト〜軽量ブーツの実力を試してみた<残雪期編>

2017年の登山のバズワードは「ウルトラライト」
軽量化を追求したギアが流行りそうです。特に軽量化したいのはブーツ。ここが100g変わることで疲労感は全く違います。しかしながら装備を軽量化するとどこかで機能的なしわ寄せがくるのが心配です。
そこで今良く紹介されてるギアを使ってみた感想を書いてみたいと思います。

軽量化=機能の簡略化?

今回購入したのがMammut Ridge Combi High WL Goretex
女性ものはこちら

色が違います。個人的にはこちらがかっこいいですね。
まず、基本データ

素材:スエード、Dropstopテキスタイル
内張り:GORE-TEX® Performance Comfort Footwear
外張り:ハイブリッドシェル
ソール素材:gripex IronGrip ソール、ポロウェッジ、
重量:1380g

ワンタッチアイゼンにも対応しかかとにはコパが切ってあります。
ですので積雪に対して機能面も期待できます。

片足700gを切るので、900g台が主流の3シーズンブーツの中では最軽量でしょう。
また、実際ネオプレン製ゲイターがかかとにあります。かなり雪を意識してると思われます。

スペックだけ見ると、軽量化によって機能が損なわれてるということはないと思われます。

ソウルは固め。厳しい岩稜を15kgのテント装備を背負った縦走登山にも問題はなさそうでう。ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXとか4万円以上する最高級3シーズンブーツによくあるクライミングゾーンはありません。

ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXとの比較は以下をご参考に。

よく思うのですが、登山業界の取り巻く環境って特殊だなと。特に「ギア」など登山産業は特に。 それを使うフィールドが確実に存在するのに、各企業...

残雪期に使ってみた〜状況別利用状況

スペック表ではわからないので、実際の使用感にもとづいて機能面を評価したいと思います。

男体山(5月初旬)

この時期にはすでに目立って雪はないのですが、下山で志津方面に向かったところ膝まで埋まるほどの積雪があり、思わぬ「積雪期」での使用感を体感しました。

気温10℃。約2時間残雪の中でズボズボ雪に埋まる中での利用(アイゼン不使用)

耐水性は抜群でした。もちろんゲイターを装着してることが前提ですが、ネオプレン製のゲイターが機能し雪が入り込むことはありませんでした。(当時は夏用のゲイターを使用)
底面及び周辺部からの冷気は全く感じませんでしたが、かかとで強い蹴り込みをしながらの下山だったこともあり、かかと側に若干雪の冷たさを感じるところがありました。アイゼンは使ってません。

ラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXもそのあたり完璧な対応でしたが、遜色はありませんでした。
しかしながら、例えば3〜4月の谷川とか安達太良山とか残雪期とはいえ長時間の積雪の中にさらされるような場面では少々不安です。この場合セオリーどおり厳冬期用のブーツで行くべきです。厳冬期用ブーツの代用にはなりません。

会津朝日岳(6月中旬)

会津朝日岳というと6月でも残雪があり、とくに山頂直下は急斜面。アイゼンで登りました。

気温20℃。20分ほどの急斜面でアイゼン使用状況下

比較的温かかった上にアイゼン装着状況下だったので、冷気の侵入はありません。
アイゼンとの相性ですが、ペツルの10本爪アイゼンとの組み合わせは問題ありません。

急勾配な利用でしたが、アイゼン幅にも馴染み快適に登れました。
以前シリオの5年もののブーツを使っていたとき、急斜面の直登だと力の入れ具合で「左右に流される」 こともあり、要は足元が安定しないことがしばしば。登山用のブーツとはいえ直登には向かないブーツもあるもんだ、と思って、造りが剛健なスポルティバにした経緯がありました。

このMAMMUTとRidge Combi Highも、その強さはありました。
軽量ブーツだとそのあたりが心配でしたが、Dropstopテキスタイルが軽量を実現しつつも剛性は維持されているのだと感じました。

DropstopテキスタイルはAlto High GTXといった雪山用のMAMMUTブーツにも利用されているなど堅牢性への信頼感は高いです。

二王子岳(4月下旬)

この日がデビュー戦。標高700mから先は1400mの山頂まで残雪。

今まででは最も長く雪の上で装着してました。
アイゼンも使わなかったので、残雪でのグリップ力を試すいい機会になりました。

気温15℃ 3時間ほどの積雪上で使用(アイゼン不使用)

Mammut Ridge Combi High Wは素晴らしいブーツだと実感すると同時に、あまりに扱いやすさにもうほかのブーツは履けないのではないかと思ったぐらいでした。
というのも、二王子岳というと「アブラこぼし」という急斜面があります。

ここを腐った雪の上をどう登山できるかポイントでした。
軽量なので雪を蹴り込めないのではと不安がありましたが、しっかり雪面をソールが捉えてくれました。

足裏感覚重視派には最適

私は雪山を登るとき、過度に親指に力をかけて登る、つまり、つま先を頼りにして登るのが癖なのですが(本当は雪面に対しフラットフィッティング)ソールがラ・スポルティバ トランゴ S EVO GTXにくらべ薄いこともあり、指先で地面の凹凸をしっかりつかめる感覚があり、とても安心できました。
今回は長時間アイゼンなしで「直に」雪の上にいたこともあり、3時間後には多少冷気が入るのではと心配しましたが、問題ありませんでした。

今回は不注意でゲイターを忘れてしまったのですが、ネオプレン製のゲイターのお陰で雪の侵入はゼロでした。

しかしながら、上述の男体山のように踏み抜きが多いような場面では防げないでしょう。
あくまで補助的なものと捉えるべきです。


まとめ

残雪期に色々なパターンの山で試してみましたが、
冷気の侵入
雪の侵入
足裏感覚
グリップ力
ともに最高級3シーズンブーツと遜色がありませんでした。

しかしながらテント装備化でどれぐらい負担を受けるか、10時間を超える登山ではどうか、岩稜帯ではどうか、などまだ未知数ですので、後ほど使用感をレポートしようと思います。

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